子どもの肥満はなぜいけないの?

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前回は、子どもの肥満が増えてきていていること、子どもが肥満であるかどうかの判定の仕方についてお話しました。

では、なぜ子どもの肥満はいけないのでしょうか?

その大きな理由は以下の4つです。

 

①    小児期の肥満は、成人の肥満につながる。

幼児期肥満の25%、学童期肥満の40%、思春期肥満の70〜80%が成人の肥満に移行すると言われています。

 

②    生活習慣病など、肥満の合併症が起こる。

肥満は、生活習慣病と言われる2型糖尿病、脂質異常症、高血圧などの原因となります。

成人ほどの%ではないですが、肥満のひどい子どもたちに、これらの生活習慣病が見られることがあります。

また、喘息や睡眠障害の原因になるとも言われています。

 

③    大人になってから、生活習慣病や冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症)を発症しやすくなる。

子どもの頃には発症しなくても、肥満の子どもは、大人になってからの生活習慣病のリスクが高くなったり、冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症)を発症する確率が高いことが明らかになっています。

 

④    精神的健康問題のリスク。

肥満がいじめの原因になることがあります。子ども自身にとっては、身体の問題よりこちらが一番大きい悩みになることでしょう。

いじめが起きると、外での活動ができなくなり、ストレスが積み重なります。

そこで家の中でストレスを解消しようとして、家に引きこもってゲームをしたり、暴飲暴食や不規則な食生活を送り、ますます肥満を進行させるという悪循環に陥る可能性があります。

 

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子どもの肥満が、なぜ良くないのか、分かっていただけたかと思います。

 

肥満により、子どものうちに生活習慣病にまでなってしまうことは、まれです。

しかし、子どもの頃に肥満であることは、成人になってからの健康に大きく影響してきます。

 

そして、大人と違う子どもの肥満に特徴的な問題は、学習を含む日常生活に悪い影響が出てきやすいということです。具体的には、肥満により運動能力が低下し、体育の授業などで大きく遅れをとったり、肥満によるいじめや不登校も起きたりします。

 

思春期になると、体格が形成されてしまう事、生活習慣が定着してしまう事から、肥満を改善するのが困難になります。

そのため、小児肥満の治療は出来るだけ早く始め、食生活を含む生活習慣を改善することが重要だと言われています。

 

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れいここうの

れいここうの

医師・料理家として、食の観点から、予防医学を家庭に広げたいと思い、活動しています。 正しい食の知識を身に付けるのには、子供たちへの教育が大切だと感じ、2015年キッズ食育トレーナーの資格を取得しました。 ブログでは、簡単・時短でも、栄養バランス満点で美味しい、 一汁三菜を作らなくても健康的な食生活を実現出来る 「一品で栄養バランスの取れるレシピ」を提案。 食による健康、子どもへの食育に関するレシピ開発、コラム執筆、出版などのお仕事を承っています。 ↓レシピ本、好評発売中。 【Amazon.co.jp限定】忙しい人のための“一品で”栄養バランスが取れるレシピ―女性医師…/SBクリエイティブ https://www.amazon.co.jp/dp/4797381280

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