10月20日の朝日新聞「声」のページで、14歳女の子の「十分な給食時間を」という投稿が掲載されていました。
彼女の学校では、4時間目のあと15分間で給食準備。
食事時間は、12時45分から20分間だけ。
4時間目が別教室での授業だったり、延長したりすると、10分で食べることもあるそう。
当然、よく噛む時間はない。
友達と話もできず、楽しく食べることもできない。
時間がなくて給食を残す人も多い。
食事時間は30分間にしてほしいと思う。と訴えていました。
きっと、日本中の学校が、程度の差はあれ、そんな感じなんだと思います。
幼稚園でも年長さんになると、小学校に向けて早く食べる練習をするようです。
昔から、幼稚園や小学校低学年では「給食を食べるのが早い子」はちょっとしたヒーローでしたよね。
娘も、「○○くんは、いっつも給食一番ですごいんやよ!」と報告してくれます。
もちろん、なんでもパクパクとしっかり食べるのは良いことです。
でも、よく噛まずに味わわずに食べるくせがついているとしたら・・健康上、問題が出てきます。
子どもでは、よく噛まないと顎の発達にもよくありません。
丸呑みしていては、消化が悪く、胃に負担がかかったり、お腹が痛くなったりする場合も。
また、早く食べる子どもは、肥満のリスクが高まるという研究結果も報告されています(※1)
日本人は働き者なので、社会人になってからも、仕事の合間10分で昼食を済ます・・なんて人も多いですよね。
職場でも、「お昼を5分で済ませました!」や「お昼抜きで頑張りました!」というのは、=「仕事をがんばってる」ということと評価されがち。
一生懸命頑張れるというのは良いことだけれど。。。
見方を変えれば、健康によくない習慣を、子どもの頃から積極的に身に付けてるっていうことになるんですよね。。
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こういう私も、よく娘に「早く食べて」と言ってしまいます・・・。
私自身、自分が食べるのが遅くて、学校給食などで苦労したし、仕事でもさっと食べることが求められました。
だから、「あまりに食べるのが遅いと、社会では何かと困ることになる」という思いもあり、ついつい言ってしまうのですね。
幼稚園でも小学校入学に備えて早く食べましょう、という指導があったので、娘の価値観は「早く食べるほうが良い」になってます。
娘がうれしそうに「今日の給食、すごく早くて3番目に食べたよ!」という報告してくれると、「偉かったね!」と褒めていますが・・。
からだのためには、ゆっくりのほうが良いんだけど・・・と、なんとなく悶々とします。
やはり、これではよくない!と思い、小学生になって、話が通じるようになったので、きちんと説明を始めました。
「今は遅刻しそうだから早く食べてほしいけど、本当はよく噛んでゆっくりたべたほうがいいんだよ。」
「給食は時間がないから、早く食べられるのもすごいけど、ゆっくり楽しく食べることも良いことなんだよ。」
そして、夜など時間があるときは、あまり急かさないように。。。。
日本社会が変わらない限り、早食いが求められる場面は多々あるはずですが。
本当はゆっくり食べたほうが良いということを教えてあげて、早食いがくせにならないようにしてあげたいと思います。
参考文献
※1Self-reported rate of eating and risk of overweight in Japanese children: Ryukyus Child Health Study.
Journal of nutritional science and vitaminology. 2012;58(4);247-52.

れいここうの

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