昔に比べると、料理をする男性も増えてきて、子ども料理教室でも男の子を普通に見かけるようになりました。
でも、いまだ「家族の健康管理は女性の役目」というご家庭が多いと思います。
男性が食育を学び、家族の食事を作って健康管理を担えるようになれば、それは女性の負担軽減ということだけでなく、男性自身にとって人生の大きなメリットになります。
それはなぜなのか、お話します。
独身の中年男性では、メタボリック症候群になっている人が既婚者に比べて2倍、という研究結果が発表されました。
研究は、東京字形医科大学大学院健康科学の和田高士教授らが行ったものです。
食生活の違いを見てみると、外食の頻度や、朝食を抜くことが週3回以上の割合も独身者のほうが多かったそうです。
この結果を聞いて、「なんとなく納得・・・」という人が多いのではないでしょうか?
一般的に「男の一人暮らし」イコール不摂生してそうというイメージがあり、そして「一人暮らしだから仕方ない」と思われがちだと感じます。
若い男性が、「一人暮らしだから、そりゃ、まともな物食べられてないよねー」と言われているのをよく聞きます。
そういう男性が結婚したら「奥さんに良いもの食べさせてもらってるから、健康的になったねー」と周りは言います。
そして、実際に統計を取ったわけではありませんが、私の周りを見ていると、1人暮らしのときはまともに食べてなかったけど、結婚して健康的な食生活に変わったという男性は少なくないです。
病院でも、不摂生を続けたために何らかの病気になった男性患者さんがいた場合、その人が独身だと聞くと、みんな「あー。だからか。」と納得する、という場面もよくあります。
そして、これは海外での研究ですが、妻が肥満であると、その夫の2型糖尿病のリスクが高くなるという報告があります。
逆に、夫が肥満である場合は、その妻が糖尿病になりやすいことはないという事です。
つまり、夫の健康状態は妻に強く影響を受けているということ。
日本でも、家族の食生活を決める役割の中心は女性という家庭が多いので、似たような傾向になると思われます。
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今は、他の家事と同じように、男性が食事を作るという話も聞くようになったけれど、ひと昔前は「お母さんが家族の健康を守る」という認識が当たり前で、それは今も残っています。
実際、私も「家族の健康管理」は自分がしなければ、自然に思っていました。
「あなたのおかげで、家族が健康でいられる」と言ってもらえるのは、母親としてうれしいことです。
しかし、「家族の食事作りや健康管理を自分がやりたい!」と思っているなら人は良いですが、すべての人がそういうわけではない。
共働きが増えてきている今、女性にとって大きい負担のひとつになります。
そして、この状況は、女性の負担になるということと同等かそれ以上に、男性自身にとって大きいデメリットだと私は思っています。
結婚するまでは母親に、結婚したら妻に健康管理をしてもらう。
一人暮らしになったら、たまたま健康に無関心な女性と結婚したら、自分の健康も損なう。
極端に言うと、そういう状況になってしまいます。
このように、自分の健康状態が、常に他人に依存しているのは、あまりにもリスクが高い人生です。
日本の現状を考えると、共働き世帯が今後減ることは考えにくい。
また、未婚の人も増えています。
妻に県央管理をしてもらうのが当たり前・・・という世の中ではなくなってきています。
やはり、男女関係なく、子どもの頃から食育を学ぶ機会が必要です。
もし、忙しくて食事を作る時間がなく、外食やテイクアウトになるとしても、選ぶメニュー次第で健康に与える影響は変わってきます。
健康を守るためには、何を食べるべきなのかという「食選力(食を選ぶ力)」を当たり前のように身につける機会をすべての子どもたちに持ってほしい。
最近は、料理教室をしても男の子の参加がけっこうあるし、今までとは変わってくるのではないかという期待も持っています。
結婚したら奥さんを助けるため・・ではなく、自分自身のため。
男の子も女の子も、食育は自分自身の将来を輝かせるために必要です!

れいここうの

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