新型コロナの影響もあって、子どもたちがパソコンやタブレット、スマホを使って過ごす「スクリーンタイム」が増えていることが気になっている方も多いのではないでしょうか。
もちろん、インターネットを利用した学習や、オンラインでの人との交流など、メリットもたくさんあります。
子どもたちをインターネットから完全に遠ざけるのは不可能ですし、むしろ将来のために絶対必要なスキルになってきていますよね。
インターネットの利用が不可欠になっているからこそ、長すぎるスクリーンタイムが子どもの健康にデメリットをもたらすという事も知っておかなければなりません。
便利になった反面、親としては考えなければいけないことが増えて、大変な世の中になったなあと感じますよね。
今回は、食に関することで、テレビやスマホの見過ぎによる子どもへの影響についてご紹介したいと思います。
アメリカとカナダでの研究結果によると、スクリーンタイムの長い子どもたちは、1年後に過食や肥満になる危険性が高いそうです。
この研究では2016年~2019年に集められた約1万人の9〜11歳の子どものデータを分析しています。
それによると、ソーシャルメディアに費やす時間が1時間増えるごと、1年後に過食になるリスクが62%高くなっていました。
また、テレビやビデオ、映画などの視聴が1時間増えるごとに、同様のリスクが39%高くなることも分かったそうです。
この「過食」というのは、短時間で大量の食品を食べたり、食欲のコントロールを失った感覚・食べて後の罪悪感を感じたりするものです。罪悪感から隠れて食べたり、気持ち悪くなるまで食べ続けてしまうというような深刻なケースもあるそうです。
過食になる原因としては、画面に集中していると食べ過ぎるのを止められなくなったり、ネットやテレビで流れる食品の広告により食欲がコントロールできなくなる可能性があるのではと言われています。
私たちも、「ネットをしながら食べていて、気が付けば全部食べてしまってた!」とか、「広告を見ていたら食べたくなってきて、お腹すいてないのにおやつに手を出してしまった」というような経験、ありますよね。
スクリーンタイムが長すぎると、こういった事が、極端な過食につながる可能性はあるかもしれません。
また、別の研究では、スクリーンタイムが1時間伸びるごとに、10代の若者の孤独感、寂しさ、絶望感が増えるということも言われているので、こういった鬱症状も過食と関係しているかもしれません。
そして、子どもの頃にこういった習慣が出来てしまうと、一般的にはそれが大人になってからも続き、肥満や心臓疾患、糖尿病などのリスクが高くなります。
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インターネットが不可欠であるからこそ、上手に付き合い、子どもたちに与えるデメリットは最小限に抑えたいですよね。
ネットやテレビを見ながら食べる「ながら食べ」をしないように子どもに教えるなど、食育の観点からも出来ることはありそうです。
逆に、スクリーンタイムを適切に制限することが、正しい食習慣を身に付ける助けにもなります。
これはスクリーンタイムと食の相互関係になりますが、生活全般にも言えます。
正しい食習慣を心がければ生活リズムが整い、生活リズムを調えれば食習慣も良くなる。
親としては、いろいろ考えることがあって大変ですが、食を基軸に子どもの生活を改善していく、というのも1つの良い方法ではないでしょうか。
※参考文献
Excessive social media use linked to binge eating in US preteens

れいここうの

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