朝日新聞に、年間30日以上登校せず「不登校」とされた小中学生の数が昨年度に過去最多となったという記事がありました。
教育委員会への聞き取りで
・行事の縮小や黙食など制限が残る学校生活に登校意欲が低下
・休校・学級閉鎖などで生活リズムが乱れた
・学校を休むことへの子ども・保護者・教員の心理的なハードルが低下した
などが要因として挙げられているそうです。
記事には、学校、教育委員会、児童相談所、不登校向けのオンライン授業を行うNPO、子ども食堂などが積極的に連携して、子どもたちを支援しなければならないとありました。
不登校の問題は複雑で、簡単に解決できることではありません。
いじめなどがあれば、また解決策も変わってきます。
しかし、(いじめなどが無い状況で)子どもが軽いうつ状態になっていたり、不安をかかえていると気付いた時、ひどくならないうちに親が出来ることはないでしょうか。
これに関して、研究機関であるIDIBAPS(August Pi i Sunyer Biomedical Research Institute )が、パンデミックにより世界的に不安症やうつ病が増えている状況で、どのような行動で不安や抑うつ症状を軽減するのか、を調べた研究があります。
その結果、もっとも効果が高かったのは、
・健康的でバランスの良い食事
2番目が
・ストレスをもたらすニュースや情報を遮断すること
だったそうです。
それに続くのは
・屋外に出たり、窓の外を眺めること
・自分のリラックスできることをすること
・ウォーキングなどの運動をすること
でした。
意外にも
・親戚や親しい友人と話す
・お気に入りの趣味を楽しむ
など、一般的にすごく効果がありそうだと思われているものは、この研究では比較的効果が小さいという結果でした。
私は、もちろん健康的な食事がメンタルヘルスに大切だと思ってはいましたが、友達との交流や趣味よりも効果が高いとは予想していませんでした。
しかし、よく考えてみれば、鬱っぽくなっている時には、人とは会いたくなかったり、趣味を楽しむ余裕はありません。
また、本人がやりたいと思っていないのに、他人が無理やりさせることも出来ないです。
一方、健康的な食事や暗いニュースを遮断するということは、とてもシンプルで、意欲が低下していても取り組みやすい内容です。
また、子どもの場合、親が食事メニューに配慮したり、リビングでテレビニュースを付けないようにするなど、子どもに対して働きかけることが出来ます。
もちろん、不登校など、子どものメンタルヘルスの問題はとても複雑で、個々のケースにより原因も様々なので、食事だけで解決できるものではありません。
しかし、子どもが少しストレスを感じているという段階で、深刻な状況になる前に予防出来れば、それが一番です。
家庭内で出来る対策として、健康的な食事の果たす役割が皆さんが思っているより大きいということを知っていて損はありません。
良かったら、参考にしてみてくださいね。
れいここうの
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