忙しい日々のなかで、特に平日は家族がそろって夕食をとる時間が貴重になっているご家庭も多いと思います。
我が家でも、毎日毎日全員がそろって・・・というのは不可能です。
でもこの「夕食の時間」こそが、家族の絆を深める大きなチャンスだということ示した研究があります。

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アメリカ心理学会(APA)とマサチューセッツ総合病院の研究チームは、アメリカ各地の家庭を対象にした調査を実施し、家族で食事をとる頻度やその内容(質)が、家族関係にどのような影響を与えるのかを分析しました。
この研究はコロナ禍に行われており、パンデミックの影響により、家族で食事を摂る機会が増えた結果、どのような変化があったかを調べています。
その結果、家族で食卓を囲む回数が増えたことにより、
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・夕食中に、感謝の気持ちを伝える回数が増えた
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・家族で笑い合う時間が増えた
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・その日の出来事について会話する機会が増えた
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・「自分たちは家族だ」という意識を強める会話が増えた
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・食卓を囲むことで、家族の一体感や安心感が高まった
このようなポジティブな変化が、幅広い家庭で共通して見られたとのことです。
また、ビデオ通話などの画面越しであっても、「一緒に食事をする」という経験が、物理的な距離をこえてつながりを感じさせてくれるそうです。
これは、単身赴任の家族がいる場合や、おじいちゃん、おばあちゃんと離れているご家庭にとって、嬉しい結果ですよね。
この研究結果からも、家族で夕食を囲むことが子どもたちの安心感や幸福感を育むうえで、非常に大きな役割を果たすことが分かります。
子どもの不安や疑問を、家族と安心して話せる場所と時間があるだけで、子どもは心を落ち着けることができるのです。
食育=栄養だけではない!
毎日家族全員で夕食を囲むのは難しいかもしれません。
子どもが大きくなって、塾や習い事などで忙しくなると、ますます厳しくなる。
でも、週に1回でも「今日は一緒に食べよう」と声をかけるだけで、家族のつながりは変わっていきます。
食育というと、栄養やメニューに注目しがちですが、誰かと一緒に食卓を囲むことだけでも食育になるのです。
忙しい日々の中でこそ、食卓を心が通う場所にしてみましょう。
※参考文献
How COVID-19 transformed family dinners (米国心理学会 2024年10月31日)
How COVID-19 expanded the family dinner table: Greater frequency linked with improved quality and new ways of eating together (Couple and Family Psychology: Research and Practice 2024年10月)

れいここうの

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