子どもの時から食育を学ぶ目的は何でしょうか?
もちろんたくさんの目的がありますが、私は、最終的に、成長して親と離れて暮らすようになった時、自分で自分の食事を管理できる力を身に付けることだと思います。
これが、自分の健康を自分で守る力になります。
人によって違いますが、高校を卒業したくらいから、親が食事を管理する機会はぐっと減りますよね。
それまでに、子どもが身に付けておく方が良い食習慣はどういったものでしょうか?
2000~07年に京都大学で男子学生を対象に行われた研究(※1)では、どのような生活習慣が肥満リスクになったかを調べています。
肥満は、糖尿病はや高血圧、狭心症や心筋梗塞など多くの病気のリスクを高めるので、肥満を予防することが重要なのは皆さんもご存じだと思います。
この調査によると、12.9%の学生が、1年間でBMIが5%以上増加しました。
そして、BMI増加のリスク因子とされたのは、
①運動不足
②アルコール摂取量が少ないこと
③朝食をよく抜くこと
④高脂肪食を好むこと
⑤一人暮らし
ということでした。
逆に言えば、これらを避けることで、リスクを減らすことが出来ます。
②以外は、皆さんの予想通りといったところでしょうか。
アルコールの摂取量が少ない方が太りやすかった理由は、はっきりしていません。
また、アルコールを飲めば飲むほど太りにくいというわけでもなく、アルコール摂取量と肥満の関係は一貫した結論がまだ得られていないようです。
(あくまで個人的な意見ですが、お酒をよく飲む男子学生は、食事も不規則でちゃんと食べていない事が多く、そのためお酒をあまり飲まない人の方が太りやすかったという結果になったのかなと思いました。)
朝食をぬいたり、脂肪の多いものを食べたら太りやすい、というのは皆さんにとったら当たり前のことかもしれません。
しかし最も大切なポイントは「子どもがきちんと理解しているか」という事です。
親が子どもの健康のために、朝ごはんを作り、栄養バランスを考えた食事を出していても、子どもはそれが当たり前すぎて、大切なことだと気付いていないことがあります。
どうして大切なのかと理解していないと、1人暮らししたとたん、特に気にせず朝食を抜いたり、偏った食事になったりします。
大切だと知らなければ、頑張ってその食習慣を維持しようと思わないでしょう。
そして、太ったり、体調が悪くなっても、食生活が乱れたせいだと気付けません。
だから、ただ子どもに栄養バランスの良い食事を出すだけでなく、どうして食事が大切なのか、子ども自身が理解できるようにすることが大切だと思います。
子どもが親の手から離れる前に、教えておきたいですね。
※1 Lifestyle risk factors for overweight in Japanese male college students.
れいここうの
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