「夜に食べ過ぎ、朝は食欲がない」は子どものうちにリセット。

「朝は食欲がなくて、あまり食べられません」

という人、子どもも大人も、けっこういるのではないでしょうか。

 

この場合、「朝が弱くて」と朝に注目しがちですが、実は前日の夜に原因がある可能性が。

つまり、夜に食べ過ぎていたり、遅い時間に食べていたりして、そのせいで朝にお腹がすかない、ということです。

 

みなさん、想像がつくことだと思いますが、この「夜食べ過ぎて(または、夜遅くに食べる)、朝食べない」という習慣は、肥満や生活習慣病のリスクになります。

 

その理由は、「夜は寝るだけで消費カロリーが少ないから」というだけでなく、体のホルモンも関係しています。

 

まず、夜はカロリーの消費を高める「オレキシン」というホルモンの分泌が低下します。

そのため、エネルギーを消費しきれず、それが脂肪になり肥満につながります。

 

また、筋肉や肝臓で糖の消費を調整する「レプチン」の分泌も夜には低下しています。

だから、糖が血液中にとどまることになり、血糖値も上がりやすくなる(=糖尿病のリスクが高まる)のです。

 

 

また、朝ごはんをきちんと食べることにより、体の基礎代謝を上がります(=エネルギー消費が上がる)。

だから、朝食抜きはその日の消費エネルギー低下を招くことになり、それも肥満につながります。

 

 

 

健診でメタボリックシンドロームを診断された人に、食生活を聞くと、夜遅くにたくさん食べて、朝食や昼食は少ししか食べていないというパターンが非常に多いです。

 

子どもの場合は、多少、夜遅くに食べ過ぎていても、肥満や生活習慣病にまでなる人は大人よりもまれです。

しかし、この習慣が当たり前になってしまえば、大人になってから生活習慣病になる可能性が高まります。

 

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健診では、夕食後にお菓子や夜食を食べてしまっている人には、気をつけて控えてもらい、朝ごはんをしっかり食べるように指導しています。

 

もし、子どもさんが、夕食後におやつをたくさん食べる習慣があるなら、将来のために、出来るだけ早く直しておく事をおすすめします。

特に、脂質が多くて胃に負担のかかりやすいスナック菓子や洋菓子などは、日中に食べるようにしたいですね。

 

 

また、仕事で帰宅が遅くて、なかなか早い時間に食べるのは難しいという方もいます。

夜遅くまで何も食べずに働いているので、お腹もすいていて、ついつい食べ過ぎてしまうそうです。

 

その場合、一度、夕方に、サンドイッチやおにぎりなどの軽食を取って、帰宅後の食事は軽くすませる方法を提案しています。

 

 

 

子どもでも、小学生高学年くらいからは、仕事を持つ大人と同じように、塾や習い事で帰宅が遅くなる子も増えてくると思います。

同じ方法で、なるべく夜遅くの食事は少し控えめにするように工夫してみてください。

 

子どものうちは、健康に影響が出ていない場合もあるので、別に良いかなとなってしまいがちです。

しかし、悪い食生活の影響は、中年以降に何らかの形で現れてくる可能性が非常に高いです。

 

もちろん、各家庭により事情もあるでしょうし、完璧を目指すのは難しいかもしれません。

けれども、もしできそうなことがあれば、少しずつ改善してみてくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

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れいここうの

れいここうの

医師・料理家として、食の観点から、予防医学を家庭に広げたいと思い、活動しています。 正しい食の知識を身に付けるのには、子供たちへの教育が大切だと感じ、2015年キッズ食育トレーナーの資格を取得しました。 ブログでは、簡単・時短でも、栄養バランス満点で美味しい、 一汁三菜を作らなくても健康的な食生活を実現出来る 「一品で栄養バランスの取れるレシピ」を提案。 食による健康、子どもへの食育に関するレシピ開発、コラム執筆、出版などのお仕事を承っています。 ↓レシピ本、好評発売中。 【Amazon.co.jp限定】忙しい人のための“一品で”栄養バランスが取れるレシピ―女性医師…/SBクリエイティブ https://www.amazon.co.jp/dp/4797381280

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