今年もあと少しで終わり、新年がやってきます。
毎年この時期に思うことですが、本当に1年が早い!
ついこの間まで赤ちゃんだと思っていた娘ももう7歳です。
来年はもっともっと、子どもとの時間を大切にしていかなければいけないな・・・・と思っています。
さて、私の2018年のお楽しみの一つが冬のオリンピックです。
現地の治安に不安があったりもしますが、オリンピックのために努力をしてきた選手たちが、政治的なことで影響をうけずに、安全にのびのびと競技をしてほしいです。
中でも、私が楽しみにしているのがフィギュアスケートです。
現在の日本女子をひっぱているのは、宮原知子選手。
スケートに興味のない方でも、名前は知ってるのではないかと思います。
宮原選手は、昨シーズンの終わりに股関節の疲労骨折になり、リハビリを続けてきて見事に復活をとげました。
この疲労骨折の原因は、練習のしすぎだけではなかったようです。
疲労骨折が判明した当時、長年の栄養不足から血液検査の結果が悪く、骨密度もかなり低下していて、骨折の有無にかかわらずドクターストップがかかる状態だったそう。
ご本人のインタビュー記事(※)によると、「フィギュアスケートは太ってはいけない」という先入観があり、リハビリ中に医師からしっかり食べるように言われても、食べることに罪悪感があり、体重を増やす勇気がなかったとのことです。
※http://number.bunshun.jp/articles/-/829267
しかし、気持ちを切り替え、しっかり食べるようにしたら体重や筋肉量が増えただけでなく、なんと身長も伸びたそうです。
一時は試合どころか、練習もまともにできず、スポーツ選手として、けがは本当につらかったと思います。
しかし、彼女の将来の健康を考えると、けがをして食事面を見直し改善できたことは、非常に幸運だったのではないかと思います。
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アスリートは健康的なイメージがあるかもしれませんが、実は摂食障害(いわゆる拒食症や過食症)に苦しむ選手が少なくないそうです。
フィギュアスケートの世界では、引退された鈴木明子さんがかつて摂食障害を患っていたことは有名ですし、海外のトップ選手でも、ロシアのリプニツカヤ選手やアメリカのゴールド選手が、拒食症の治療のために引退したり、休養したことが報道されました。
元女子マラソンのトップ選手が、摂食障害を患い、過食して吐くための食費を惜しむようになり、食品などを万引きして逮捕されてしまったという事件も記憶に新しいところです。
宮原選手は、摂食障害というわけではなかったと思いますが、明らかに不健康な状態にあるにもかかわらず「食べることに罪悪感があり、体重を増やす勇気がなかった」という言葉に、個人的には、一歩間違えれば危なかったのかなという印象を受けました。
体重を減らすことで競技のパフォーマンスが向上したり、美しさを競うスポーツではスタイルの美しさが採点に影響することもあります。
だから、ほぼすべての選手が厳格な食事管理をしているとは思いますが、それが栄養士などの指導のもと、安全に行われていれば問題ありません。
しかし、選手が自己判断で、過剰な食事制限をしたり、嘔吐や下剤の使用が見られたり、過度のトレーニングをしたりすると、摂食障害のリスクが高まります。
今はもう少なくなったと思いますが、ひと昔前は、指導者により激しい食事制限が指示されることもあったようです。
そういえば、私が小学生のころ、器械体操の選手コースだった同級生から「休日の合宿では1日中練習するけれど、太ってはいけないから、サンドイッチ一切れしか食べさせてもらえない」と聞き、衝撃を受けたのを今でも覚えています。
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摂食障害がないとしても、長期にわたって 間違った食事制限をすることは、健康に害をもたらす可能性が高いです。
骨粗鬆症もそうですし、女性では月経不順から不妊になるリスクもあります。
スポーツをやめた後の人生も長いのだから、間違った判断で、その後の人生に大きく影響するような健康障害が起こることは絶対にさけなければいけないと思います。
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オリンピック選手でなくても、どのレベルの選手でも、競技の結果を求めて一生懸命になるあまり、摂食障害になってしまう危険性はあります。
子ども自身に食事の大切さを教え、親が気をつけて見てあげることも大切です。
子どもに本格的にスポーツを・・と思っているお母さんもいると思いますが、クラブチームを選ぶときには、技術面だけでなく、食事面・身体面のフォローをしっかりしてくれるか、という視点を持つことも必要だと思います。
子どものスポーツや勉強は、つい成績の向上に目が向きがちですが、そのために健康をこわすようなことがあっては本末転倒です。
若さゆえの一生懸命さで、子ども自身は、つい周りが見えなくなるかもしれません。
その時に、親まで盲目になってしまわず、健康第一に考えられる冷静さを持っていたいですね。
参考:スポーツにおける摂食障害(日本摂食障害協会) https://www.jafed.jp/pdf/uk-sports.pdf
アスリートのための手引き(日本摂食障害協会) https://www.jafed.jp/pdf/beat-guide-athletes.pdf

れいここうの

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