徐々に状況は良くなっているように感じるものの、まだ終わりが見えないコロナウイルス。
これまで、子どもたちも大きな影響を受けてきました。
休校になったり、楽しみにしていた学校行事が中止や延期になったり、つらい思いをしている子どもたちも多いと思います。
コロナ禍が子どもたちにどのような影響を及ぼしたのかを調査するため、国立成育医療研究センターにより、「新型コロナウイルス感染症流行下の子供の心の実態調査」が実施されました。
その結果によると、食事が食べられなくなる「神経性食欲不振症」の新規の患者数や入院者数が、コロナが流行する前の2019年度と比較すると2020年には、約1.5倍増加していたことが分かりました。
増加の原因としては、
・緊急事態宣言や休校などの生活環境の変化
・感染対策のために家に引きこもりがちになったこと
・学校行事などの中止
・友達に会えない
・コロナウイルス感染への不安
などによるストレスが関係していると推測されています。
さらに、これ以外の原因も考えられています。
メディアやSNSの影響
コロナ対策によるストレス以外に、コロナ太り対策のダイエット特集の報道やSNSでの情報に、子どもたちが影響された可能性も考えられています。
コロナ以前から、痩せていることが美しいとされる雑誌やテレビの価値観が、子どもたちのやせ願望に影響している事は指摘されていました。
日々報道されているダイエット情報は、成長期の子どもたちには危険である場合が多いです。
しかし、それを正しく判断する事は、子どもたちには難しいでしょう。
「コロナ×こどもアンケート」では、いまの自分の体型について、38%が「太りすぎ」「太りぎみ」と思っていて、48%が「やせたいと思っている」と回答。
さらに、4%がやせるために「食事の量を普段の3分の2以下に減らす」、2%が「食べたものを吐く」と回答していたそうです。
今は、子どもたちがインターネットサイトやSNSを通じて、食や健康に関して間違った情報にアクセスしやすい時代です。
子どもたちは、間違った情報を見分ける知識が少なく、鵜呑みにしてしまう可能性が高いです。
そして、中高生になってからでは、なかなか親の言うことに耳をかしてくれなくなります。
間違った情報を得る前に正しい知識を
こういった点からも、小さいころからの食育が子どもたちに必要だと思います。
子どもへの性教育で、外部から間違った情報を得てしまう前に、正しい食の知識を身に付けておく必要があると言われていますが、食育についても同じことが言えると思います。
難しい栄養の知識などは必要ありませんが、今、自分が食べているもので体が作られていること、成長のために食事がとても大切なことを、子どもたち自身が理解することが大切です。
家庭でも、声かけひとつで、子どもたちに楽しく食の大切さを教えることは可能なので、少しずつ、子どもさんに伝えていくようにしてみてください。
参考文献・参考サイト
コロナ禍の子どもの心の実態調査 摂食障害の「神経性やせ症」が1.6倍に(国立成育医療研究センター)
コロナ×こども本部「コロナ×こどもアンケート」(国立成育医療研究センター)
れいここうの
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