毎日の食事で、子どもたちを健康に育てたい。
そうお母さんが思うとき、「栄養のある食べ物を」「栄養をバランスよくとらなくちゃ」と、「栄養」のことを一番に考えますよね。
もちろん、栄養をバランス良く、しっかり取ることは重要です。
しかし、子どもたち、特に幼児期においては、私は「正しい味覚を形成する」ことに、もっと力を入れるべきだなと思っています。
これは、「食と健康」をいう観点からは、あまり言われていないことかもしれません。
でも、私が、幼児期に、「栄養を取ること」と同等に大切だと思う理由は、正しい味覚は、間違いなく一生の健康を握る鍵になるからです。
そして、その味覚の基礎は、幼児期に出来上がるから。
大人になって、いくら栄養の知識があっても、「偏食で食べられないものが多い」「濃い味付けしか美味しいと感じない」という状態では、正しい食生活を送ることは難しいです。
なんでも好き嫌いなく食べられて、薄味でも美味しいと感じられる味覚が不可欠です。
なので、小学校低学年までの間に「正しい食を美味しいと感じられる味覚を育てる」ことが、大切だと考えます。
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まず、好き嫌いが多いと栄養が偏ります。
お菓子やお肉、パンやパスタなど、高カロリーなものばかり食べ、野菜は食べない、という状態では肥満につながります。
肥満は、様々な生活習慣病の原因になります。
また、偏食で、かつ少食であると、逆にやせすぎで体力がなかったり、将来的に骨がもろくなったり、妊娠しにくい身体になる可能性もあります。
味の濃いものを好む場合、塩分・糖分の取りすぎにつながり、肥満、糖尿病・高血圧などの生活習慣病になる可能性が高まります。
濃い味付けに慣れてしまっている人は、薄味では満足できない味覚になっていることが多いので、「甘いものはだめ」「塩分の取りすぎはいけない」と言って禁止するだけでは、難しい場合が多いです。
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だから、幼児期から、甘い、しょっぱい、すっぱいなどを子どもに教え、経験させていくことが大切。
さまざまな食べ物の味を知ることで、徐々に美味しいなと感じられるようになり、好き嫌いなく、なんでも食べられるようになります。
また、子どもの頃から、これは「甘すぎる」「しょっぱすぎる」ということを教えることも必要だと思います。
そして、子どもが言葉の理解が出来るようになってきたら、「甘すぎるものや、しょっぱすぎるものは、良くないものだよ」と、徐々に教えていくべきだと思います。
素材の味を感じ、薄味が美味しいと感じる味覚を育てる。
そうすれば、自然に糖分や塩分を控える食生活になります。
味覚は、歳をとればとるほど鈍感になってくる、つまり、味を感じにくくなってくるので、大人になってから薄味に慣れるのはとても難しいです。
子どもの頃に、様々な味に慣れ親しみ、薄味が美味しいと感じられる味覚を育てれば、それは一生の宝になります。
正しい味覚を育てるために、おうちでできることは、「薄味で調理し、いろいろな味を経験させること。」
おかあさんが、いろいろな味を経験してほしいと思っていても、好き嫌いが多くて食べてくれないという場合もあると思います。
しかし、そこで食べないからといって、食卓にださなくなってしまうと、子どもの食経験のチャンスを奪ってしまいます。
日にちをあけたり、状況や環境が変われば食べてくれることはよくあるので、諦めずに根気強くあげてください。
おかあさんが疲れてしまってはいけないので、凝ったお料理を作る必要はありません。
ブロッコリーなら、ただ塩茹でするだけとか、できるだけシンプルな調理法で大丈夫です。
素材の味が生きるので、むしろそのほうが良いくらいですよね。
子どもが少し大きくなると、市販のハンバーガーやお菓子を子どもが欲しがったりするので、甘すぎるもの・しょっぱすぎるものを完全に避けるのは、難しいと思います。
でも、「これはちょっとしょっぱすぎるね。」などと、教えてあげて、「しょっぱすぎる」という感覚を知ってもら機会にすると良いと思います。
このようにして、小学生くらいまでに、正しい味覚を育てていきたいですね。
いつか、子どもが親元を離れたとき、親はごはん(=栄養)をあげることができません。
でも、正しい味覚があれば、子ども自身で正しい食を自然に選択出来るはず。
味覚は、数日で育つものではないので、大変なこともあると思いますが、正しい味覚を育てるチャンスは今だけです。
子どもさんに、一生使える「健康になるための味覚」をプレゼントするために、無理のない範囲で頑張ってみてくださいね。
れいここうの
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