新型コロナウイルスによる緊急事態宣言によって、子どもたちが運動不足になり、肥満と転倒のリスクが増加した、という研究結果があります。
小学1年生を対象に行われたこの研究によると、宣言後は以前に比べ、子どもの身体のバランス機能が低く、体脂肪率が高いという結果となったそうです。
つまり、子どもが転んでけがをするリスクや肥満のリスクが高まったということになります。
私の県も緊急事態宣言の時期がありましたが、やはり自分の子どもの運動不足が気になりました。
幸い、すぐに解除され、学校に行って外で遊べるようになりほっとしました。
運動は、子どもの食育と切っても切れない仲です。
食事だけ気を付けていても、健康な体を作るのは難しく、子どもの発達のためには運動は不可欠です。
また、それだけでなく、子どもの運動量は、好き嫌いなどの食習慣にも影響する場合があります。
例えば、幼児さんで、夜ごはんをあまり食べられないという時、昼間の運動量が足りない場合があります。
あまりお腹がすかないので、好きなものを先に食べたら、すぐ食べられなくなり、結果として好き嫌いが多くなってしまう可能性もあるでしょう。
逆に運動した後には、普段なんとも思わないお料理が、とても美味しく感じられた経験は誰でもありますよね。
反対に食生活が運動に対して影響も及ぼします。
食生活が乱れていることで、スポーツのパフォーマンスが低下します。
幼児さんでも、きちんと食事が食べれていないと、活気がなくなり元気に遊べなくなるでしょう。
大人になってからは取りかえしがつかない骨の成長
食事と運動、両方が大切になってくるものの一つが「骨の成長」です。
骨に関しては、子ども時代がとても重要。
なぜかというと、大人になってから気を付けても、取り返しがつかないからです。
人の一生のうち、骨量が増えていく(骨が強くなる)のは、成長期だけです。
骨量は20歳ごろにピークに達し、40歳ごろまでは維持されますが、その後は減少していきます。
大人になってから、骨量を増やそうと食生活を改善して運動しても、骨量を増やすことはできず、減る速度を緩やかにするしかできません。
だから、子どものうちに骨量を増やしておくのが重要なのです。
しかし、とある統計によると、子どもの骨折が1970年代に比べ、2000年には2倍以上に増加していることがわかりました。
私たちは、子どもたちの食生活・運動習慣をもう一度見直さなければいけないかもしれません。
強い骨をつくるためには、カルシウム、たんぱく質、カルシウムの吸収を助けるビタミンDやビタミンCなどをバランス良く摂り、それと同時に適度な運動も取り入れていくことが大切です。
昔より、治安が悪くなり外で遊びにくくなったうえ、ゲームやパソコンなどの普及、そしてコロナ禍と、子ども達が運動する機会がどんどん減っています。
しっかり体を動かし、何でも美味しく食べる、とても簡単なことに思えますが、現代では大人が意識していないと、それも実践が難しくなりがちです。
逆に、ちょっとした心がけで、子どもの健康を守ることが出来ると思うので、まずは出来ることから初めていきたいですね。
次回は、骨を丈夫にするためのレシピをご紹介したいと思います。
参考文献:Effect of the COVID-19 Emergency on Physical Function among School-Aged Children
Int. J. Environ. Res. Public Health 2021, 18(18), 9620
小児骨折の疫学 鳥居 俊 小児内科 41 ( 8 ) 1112 – 1115 2009年08月
れいここうの
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