「Hunger is a good sauce(空腹に勝る調味料はなし)」という諺にあるように、おなかがすいていると何でも美味しいというのは、皆さんも経験したことがあると思います。
おなかが空くと味の感じ方や好みが変わる仕組みについては、先日、ヒトと感覚が近いマウスの研究で発見されています。
空腹状態のマウスに、甘みの少ないとショ糖溶液を与えたら、通常のマウスに比べてなめた回数が2倍に増加したそうです。
また、人工的に作った苦味でも、空腹のマウスの方が、そうでないマウスに比べてなめた回数は2倍に増え、空腹状態だと不快な味に鈍くなることが分かりました。
参考:Hypothalamic neuronal circuits regulating hunger-induced taste modification
Ou Fu, Yuu Iwai, Masataka Narukawa, Ayako W Ishikawa, Kentaro K Ishii, Ken Murata, Yumiko Yoshimura, Kazushige Touhara,Takumi Misaka, Yasuhiko Minokoshi and Ken-ichiro Nakajima
Nature Communications 2019年 10月8日
「空腹感」は子どもの食育において、とても大切だと私は思っています。
「子どもが食事をあまり食べない」という場合、外遊びが足りなかったり、おやつの食べ方が良くいことが原因の事もあります。
具体的には、
・昔に比べ、安全に遊べる場所が少なくなって外で遊べない。
・室内でゲームをしている時間が長い。
・おやつを時間を決めずにダラダラ食べるづけたり、夕飯の直前に食べたりする。
などです。
小学校に通うようになると、活動量が増えるし、学校がある時間は自由にお菓子が食べられなくなるのですが、特に幼児期は、親が気を付けてあげる必要があります。
私自身も、特に娘が小さいころは「空腹」で食事を摂ることを意識していました。
また、逆に空腹を利用して好き嫌いを作らない工夫もしたので、具体的な例ををご紹介します。
・食事の直前・夜遅くには、お菓子やジュース・牛乳などお腹にたまるものの飲食は避ける。
※夜遅くの間食は、翌日の朝ごはんに影響します。
・食事やおやつの時間を決める。
園や学校に行っていれば、平日の3度の食事やおやつの時間はだいたい決まっていますが、休日や長期休みも、なるべくリズムを乱さないようにしています。
そうすると、体にリズムが作られ、同じ時間におなかが空くようになってきて、食べむらが少なくなります。
・日中はなるべく外遊びをする。
私の場合は仕事をしていて、平日に自分で連れていけないので、幼稚園や学童保育を選ぶ際に「外遊びを重視しているかどうか」を必須条件にしていました。
また、スクリーンタイム(テレビ・ゲーム・パソコンなどの視聴に費やす時間)は、なるべく少なくするようにし、日中は少しでも身体を動かすようにしています。
・空腹時を利用して好き嫌いを作らない工夫
夕飯の準備中、子どもが「おなかがすいた!」と騒いで困る・・・というのはよくあることと思います。
こんな時に、お菓子をあげてしまうと、食事が食べられなくなり悪循環。
だから、私はこの時に夕飯の一部、できれば子どもが一番残しそうなおかずをあげていました。
すると、「空腹にまずいものなし」で、普段あまり好きでないものでも「おいしい!」と食べてくれることがほとんどでした。
ここで、「美味しかった」というイメージがつくと、次回からは苦手でなくなっていることもよくありました。
※この作戦を実行するために、子どもが一番苦手なおかずから先に作っておき、おなかが空いた!と言われたらすぐあげられるようにしていました。
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このように、子どもの食育で「空腹」は大事なポイントになります。
調理法や味付けを工夫することももちろん良いのですが、「おなかをすかせて食卓につく」ようにするだけで、ずっと楽に好き嫌いが克服出来たり、たくさん食べてくれるようになるかもしれません。
よかったら、試してみてくださいね。
れいここうの
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