朝食を食べないと、集中力や作業能力が低下するだけでなく、肥満や生活習慣病になりやすいことも知られています。
このコラムを読んでくださっているみなさんは、食育に興味のある方なので、朝食の大切さはよくご存知だと思います。
しかし、厚生労働省による平成 29 年 国民健康・栄養調査結果では、20歳代朝食欠食率は、男性30,6%、女性23.6%でした。
20代の若者は、だいたい3~4人に1人はきちんとした朝ごはんを食べていないということですね。
※この場合の「欠食」とは、以下の3つの合計です。
・食事をしなかった場合
・錠剤などによる栄養素の補給、栄養ドリンクのみの場合
・菓子、果物、乳製品、嗜好飲料などの食品のみの場合
20代は若いので、病気になることも少なく、健康診断などでも異常が出ないことがほとんどでしょう。
しかし、30代後半~40代以降、メタボリックシンドロームになりやすかったり、何らかの影響が出てくる可能性があります。
また、女性の場合、ダイエット目的で朝食を抜いている場合もあり、過度なダイエットが不妊症や低出生体重児の原因になることもあります。
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子どもの頃は、多くの子が朝食を食べていると思います。
では、いつごろから朝食を食べなくなるのでしょうか?
平成29年 食育に関する意識調査報告書(農林水産省)によると、
だいたい高校生ぐらいから徐々に増え始め、「高校を卒業してから」「20~29歳ごろから」朝食を食べなくなった人が一番多いです。
つまり、子どもの頃は親に言われて食べているけれど、親の手が離ると、朝食を食べなくなってしまっていることが推測できます。
では、どうして朝食を食べないのか。
その理由は多い順から10位は、以下のようになっています。
1.食欲がないから
2.時間がないから
3・朝食を食べる習慣がないから
4.お腹がすいていないから
5.食べないほうが調子が良いから
6.朝食を摂る必要性を感じないから
7.準備・後片付けが面倒だから
8.お金の目的
9.ダイエット中だから
10.家族の誰も食べないから
※株式会社シタシオンジャパン(早稲田大学 柴田重信教授監修)「朝食に関する調査」 (2014年 調査対象者:20~50代男女1,200名)
この理由を見てみると、
「時間がないから食べない」「お腹がすいてない・食欲がない・習慣がないなら食べなくてOK」など、朝食の重要性をきちんと理解していないことがわかります。
また、「食べないほうが調子が良い」「朝食を摂る必要性がない」「ダイエット目的」などは、間違った知識で判断してしまっています。
※ダイエットしたいなら、朝食は食べた方がいいこともわかっています。
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このことから、私たち親は、子どもに朝食を食べてもらうだけでなく、朝食がなぜ大切なのか、正しい知識を教える必要があります。
正しく理解していれば、親の目がなくても、朝食を食べるように意識するでしょう。
さらに、「準備・後片付けが面倒だから」「時間がないから」という理由に対しては、子どもの頃から、簡単な調理だけでも教えて、料理することへの抵抗をなくしておく事も大切です。
一人暮らしをして仕事や大学生活で忙しくなってから、料理を覚えようとするのは大変です。
子どもの頃から少しずつ、食の大切さ、料理の楽しさ、調理技術を身に付けておきましょう。
それは、一生に渡り、我が子の健康を守ってくれるはずです。
れいここうの
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