もうすぐ子どもの日ですね。
季節のイベントは子どもの食育のチャンスです。
行事食を知る機会だったり、イベントにかこつけてパーティーなどして、子どもたちの食への興味を引き出しやすい。
子どもの日は休日なので、時間があります。
普段は忙しくて、食事を作るのも食べるのも、時間がない!というママも多いと思います。
普段よりゆっくり食事をかけて、楽しく食事をするというだけで、それが十分食育になりますよ^^
さて、今日は予防医学のお話は、子どもの肥満のことです。
小児期の肥満・過体重は、成人の肥満に移行しやすく、生活習慣病(2型糖尿病・脂質異常症・高血圧など)の原因となります。
これらの病気は動脈硬化を引き起こすので、将来的に心筋梗塞や脳卒中を起こすリスクを高めます。
では、小児期に過体重であっても、大人になるまでに解消することでこのリスクは低くなるのでしょうか?
これを検討した研究結果が報告されていたので、ご紹介します。
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デンマーク人男性約6万人を対象とするコホート研究です。
7歳・13歳・成人早期(17~26歳)の3回のタイミングで身長と体重を測定し、その体重変化が2型糖尿病の発症リスクとどのように関連しているのかについて検討されています。
過体重の頻度は、7歳時には5.4%、13歳時に5.5%、成人早期に8.2%と、年々増えました。
いずれの年齢でも過体重は2型糖尿病の発症リスクを高めますが、成人早期に過体重であった場合に2型糖尿病の発症率が最も高くなりました。
しかし、7歳時に過体重であっても、13歳時までに過体重が解消しその後も標準体重を維持した場合。
30~60歳で2型糖尿病と診断されるリスクは、過体重を経験していない場合と同程度でした。
・13歳時までに過体重を解消できなくても、成人早期までに解消できた場合には、過体重を経験していない場合よりも糖尿病の発症リスクは高かったですが、そのまま過体重を解消できなかった場合よりはリスクは低くなりました。
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つまり、7歳時に過体重であっても、思春期前までに過体重を解消して大人になるまで標準体重を維持すれば、大人になったときに2型糖尿病になるリスクは低下します。
でも、13歳時に過体重であった場合のリスクは部分的にしか解消されないということです。
ということで、思春期までに過体重を解消することが重要と考えられます。
さらに、この研究では、7歳時に標準体重であっても、その後成人早期にかけて過体重になってしまった場合は、2型糖尿病の発症リスクが増加することも示されています。
これは、小児期に母親が食事を管理し、健康に気をつけていても、思春期から成人にかけては自分で食を選べるようになった時に食が乱れて肥満になってしまうと、病気にリスクが高まる可能性があるということですね。
また、子どもの時は食が乱れていて、肥満になりやすい食習慣をしていても太りにくいです。
その習慣を大人になるまで持ち越すと、基礎代謝や運動量が減ってきた時、肥満になってしまいます。
今太っていないから、食生活が乱れていても大丈夫とわけではないのです。
単に、親が子どもに体に良い食事を提供するだけではなく、思春期までに子ども自身が自分で正しい食を選ぶ力(食選力)を身に付けることがとても重要だということが分かります。
今日の子どもさんに良い食事を作ってあげることだけでなく、時には、将来を見据えて長い視点で子どもさんの食育を考えてみてください。
れいここうの
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