糖尿病は太っている人がなるもの・・・そう思っている人がほとんどだと思います。
しかし、筋肉が少なかったり、筋肉に脂肪がたまっている女性では、やせていても、太っている女性と同様に糖尿病になりやすいという研究結果が発表されました。
食事を食べて血糖値が上がると、インスリンというホルモンが分泌されます。
すると、インスリンの働きにより、糖は臓器に取り込まれ、血糖値は下がります。
かんたんに言うと、このインスリンの出が悪くなったり、インスリンが効きにくくなったりして、血糖値が下がらなくなった状態が糖尿病です。
筋肉は糖を取り込む最大の臓器です。
だから、筋肉の少ない女性では糖を充分に取り込むことができなくて、血糖値が高いままになりやすいと考えられています。
また、筋肉に脂肪がたまっていると、インスリンの効きが悪くなり、糖をうまく取り込めなくなり、高血糖になる可能性があるとのこと。
日本人は、先進国のなかでもっとも若い女性のやせ傾向が進んでいて、20代女性の5人に1人がやせの状態です(厚生労働省 国民健康栄養調査)。
やせは糖尿病だけでなく、無月経からの不妊、骨粗鬆症などの問題ももたらします。
また、本人の健康だけでなく、産まれてくる子どもが生活習慣病になりやすくなる可能性があるなど、次の世代にも影響を及ぼします。
・妊娠中のママのダイエットが、赤ちゃんを将来生活習慣病にする?
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上記研究グループは、「やせ」を改善する方法として
①栄養バランスのとれた食事
②運動の習慣化
の2つの重要性を強調しています。
しかし、20代になってから急に改善しようとしても難しいのが現状です。
20代といえば、一人暮らしを始めたりして親のサポートはなくなる時期。
また、仮に同居していても、子どもの頃と違い、親が食生活をすべて管理するのは難しいでしょう。
仕事や勉強でもっとも忙しい時期でもあります。
今まで食事を作ったことない人が、忙しいなか、食事作りをいちから覚えるのは困難だと思います。
また、運動に関しても、それまで運動習慣がなく体力の無い人が、時間を作って運動する・・・というのは、かなりの強い意思が必要です。
やはり、子どもの頃から体力を付け、かんたんな調理はできる「食事作り力」や、「食事が自分の健康を作ることを分かっている感覚」を身につけておく必要があります。
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スポーツ庁による、体力・運動能力調査の結果(青少年)によると、体力水準が高かった昭和60年ごろと比較すると、体力・運動能力は以前低いままで推移しているそうです。
文部科学省は、子どもの体力が低下した原因として
・親が、子どもの外遊びやスポーツの重要性を学力より軽視する傾向が進んだ。
・車の普及・家事手伝いの機会の減少などで、日常生活での活動が減少した。
・テレビゲームの普及でスポーツや外遊びの機会が減少
・スポーツや外遊びをする場所の減少
・(塾や習い事などで)スポーツや外遊びをする仲間の減少
などを挙げています。
どれも、多かれ少なかれ思い当たりますよね。
ということは、
今の子どもたちは、親が意識して身体を動かす機会を作ってあげなければいけないということだと思います。
しっかり身体を動かせば、お腹が減り、食べる意欲につながります。
「お腹はがすくと力が出ない。
しっかり食べたら、また元気に動けるようになった。」
この経験は、食と身体がつながっていることを、子どもが感覚的に理解する何よりのきっかけになると思います。
そして、それが大人になってから、自らの健康を守る力となるはずです。
れいここうの
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