お仕事をしている方で「お盆休み」が夏休み、という方も多いかと思います。
このお盆。「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という仏教の行事の略称です。盂蘭盆会は「精霊会(しょうりょうえ)」ともいいます。
古くからある祖先の霊をまつる行事であり、祖先の霊を供養する仏教の行事です。
子どもにわかりやすく伝えるなら「ご先祖さまの霊をお迎えして感謝し、送り出す行事」。
日本で昔から伝わる、お正月と同じくらいに大切な行事です。
お盆は7月13日が「迎え盆」(お盆の入り)、7月16日が「送り盆」(お盆の明け)です。この7月は「旧暦」なのですが、現在の暦の7月13日〜16日からとする地域、「月遅れ」の8月13日〜16日、旧暦を現在の暦の時期に合わせた8月20日あたりとする地域など、地域により異なります。
お盆にまつわる食べものといえば、団子、おはぎ、そうめん、精進料理などがあります。
団子は、13日の迎え盆の時は「迎え団子」16日の時は「送り団子」をお供えします。
供える団子も地域により異なりますが、迎え団子はあんこやタレをかけたもの、送り団子は何も付けない白い団子が一般的です。
14、15日は「お供え団子」(地域によりお供え餅、おちつき団子など呼び方が変わります)といい、おはぎをお供えします。15日にそうめんをお供えすることもあります。そうめんは七夕でも食べられる日本の行事とも関わりの深い食べものですね。
精進料理とは、肉や魚を使わない、植物性の食品を材料にした料理。「精進」とは仏道の修行に励むことをいいます。
お盆は仏教の行事。仏教では、殺生を戒め、動物や魚の肉を食べることを禁じています。その教えにならい、お盆に精進料理を食べる習慣があります。
お盆は、親戚など人が集まる時期でもあるので、いろんな料理を囲んで過ごすと楽しいですね。
ご先祖様に感謝しながら穀物、豆類、野菜、海藻などの植物性の食品を薄味で味付けし、食べものにも感謝して素材を無駄なく使い切る、そんな食事を大切にし、見直してみたい時期でもあります。
増田陽子
最新記事 by 増田陽子 (全て見る)
- 月見団子は地域によって違う - 2024年9月12日
- 節分の意味と行事食 - 2024年1月25日
- 冬至に食べたいものと、ゆず湯 - 2021年12月16日