脳卒中・心筋梗塞などの病気、知っていますか?
詳しくは知らなくても、怖い病気というイメージはあると思います。
「脳卒中」は、脳の血管が破れて出血する脳出血やクモ膜下出血、血管が詰まって血液が脳に流れにくくなる脳梗塞などの総称です。
心筋梗塞は、心臓への血管がつまり、心臓に血が流れにくくなり、ひどい場合は心臓が止まる病気。
どちらも命に関わることもありますし、特に脳卒中では半身不随などの後遺症が残ることもまれではありません。
これらの病気は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を持っている人に起こりやすい。
そういう人の血管は、動脈硬化が起きていて、それが血管が破れたり詰まったりする原因になるのです。
そして、この動脈硬化は、
- ・塩分、糖分、脂肪の取り過ぎ
- ・喫煙
- ・お酒の飲み過ぎ
- ・運動不足
- ・過剰なストレス
- などの、不規則な生活習慣が原因となるのです。
つまり、脳卒中や心筋梗塞は、運悪く偶然に起こるものではなく、生活習慣の積み重ねが原因であることが多いのです。
これらの病気自体は、子どもに起こることは普通はなく、中年以降に起こる病気です。
でも、実はその「予防」は子どもの頃から必要なのです。
2017年3月に行われた日本循環器学会学術集会でも、「若いうちに生活習慣を改善できれば、生涯にわたって循環器疾患を予防することができる」という話があったそうです。
具体的には、小学校などでバランスの取れた食事を教育することや禁煙など、親も含めて啓発していくことが重要ということ。
今、これらの病気予防の教育は、中高年で血圧や血糖値が高い、リスクのある中高年へが中心です。
もちろん、リスクが高い人たちが実際に病気にならないように、生活習慣を改善することはすごく大切です。
でも、そういう人の血管はすでに動脈硬化が起きていて、本当の意味での予防と考えると遅い。
良くない生活習慣の積み重ねで起きる事だからこそ、子どもの頃から予防していかなくてはならないのです。
私は、さらに、幼児期からの味覚形成・食習慣の形成からの対策が重要だと思っています。
幼児期は、病気の理屈などを理解するのはまだ無理なので、そういう意味での教育は難しい。
でも、味覚や食べ物の嗜好(好き嫌い)、規則正しい食習慣などは、幼児期に基礎が確立されてしまう。
だから、幼児期に、例えば
・薄味を美味しいと感じられる味覚、
・何でも美味しく食べられる嗜好、
・規則正しく3食食べたり、甘いものやジュースを摂り過ぎない習慣
こういったことを身につけてしまえば、後がとても楽です。
自然と、身体に良い習慣や食べ物を選択出来るような土台が出来るからです。
中学生・高校生で、一旦食生活が乱れるような事があっても、本人が「これではいけないな」と感覚で分かっているので、また戻ってこれるのです。
逆に、この時期に、濃い味付けやお菓子やファーストフードを好む嗜好が出来てしまっていると、あとになって健康への知識を得ても、実際の食生活の改善は、本人にとって大変であり、ある程度の努力が必要になるかなと思います。
小学生低学年を超えると、味覚が固定されると言われているからです。
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発症が中年期以降である生活習慣病でも、小児期からの病気予防・教育が重要であることが注目されるようになってきたのは、喜ばしいことです!
食育はその中心を担う重要なもの。
子どもたちが、「自然に楽しく」正しい食を習慣身に付け、それが勝手に病気予防につながっている。
そんな状態が理想であり、実現できれば良いなと思っています。
れいここうの
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