休校中に、子どもの食事で気を付けたいこと。

コロナウイルスの感染拡大を防止するため、休校が続いています。

 

休校による子どもたちへの影響は様々ですが、保護者として気になることの1つは食事のことではないでしょうか。

 

コロナウイルスに対する心配はもちろんでしょうが、それ以外の健康面にも大きな影響を与える可能性があります。

 

ずっと家で過ごすことによる運動不足、生活のリズムの乱れ。

 

生活のリズムが乱れると、当然食事時間も不規則になります。

 

また、学校給食がなくなって栄養バランスが乱れたり、栄養不足になる子どももでてくるでしょう。

 

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平成22年度に行われた、少子中学生の栄養摂取の状況について、給食がある日の昼食と、給食がない日の昼食を比べた調査があります。

 

(※平成22年度児童生徒の食事状況調査報告書 独立行政法人日本スポーツ振興センター

https://www.jpnsport.go.jp/anzen/Portals/0/anzen/kenko/siryou/chosa/syokuji_h22/H22syokujijoukyo_3.pdf 

 

この調査によると、食塩を除く全ての栄養素について摂取量が減っていて、差が大きかったのがカルシウムだったそうです。

 

給食のない日は、豆類や野菜類の摂取量も少なくなるため、ビタミンや食物繊維も給食のある日より少なくなっていました。

 

エネルギー・たんぱく質・脂質については、給食のない日に極端にたくさん摂っている子と、逆に極端に少ない子が見られ、家庭により差が大きかったようです。

 

休校中の今も、こういった状況になりやすいと考えられますね。

 

休校中の食事のポイント

まず、食事内容の前に、生活リズムを調え、3回の食事をなるべく同じ時間に取るにすることが大切です。

 

逆に言えば、食事の時間をきちんと決めることで、生活リズムを規則正しくすることが出来ます。

 

また、おうちにいると、おやつをダラダラと食べてしまうので、おやつの時間と量を決めるいうにしましょう。

 

基本的に菓子類は糖質と脂質がほとんどで、ビタミン・ミネラルなどはあまり含まれないうえに、エネルギーは高いので食べすぎると肥満の原因にもなります。

 

また、小さい子どもさんでは、おやつを食べすぎることにより、3度の食事が食べにくくなり、結果として栄養不足になる可能性もあります。

 

 

3度の食事については、炭水化物・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラル・食物繊維をバランスよく摂ることが大切です。

 

子どもが好きなものばかりを食べていると、炭水化物と脂質が過剰摂取になりやすいです。

 

主食(ごはん・パン・麺)、肉や魚や大豆製品、野菜の3つをバランス良く食べるようにしましょう。

 

バランス良くというと、おかずをたくさん作らなければと思うかもしれませんが、そんなことはありません。

 

実際問題として、子どもさんの面倒を見ながら、凝ったお料理を作るのは不可能だと思います。

 

カレーや麺類、丼などの単品ものでも、具材に野菜と肉・魚類を両方入れるように意識すればそれで大丈夫。

 

・ラーメンには、お肉入りの野菜炒めをトッピングする。

・レトルトのカレーには、レンジ加熱した野菜(冷凍野菜も可)を加える。

・おにぎりの具材を鮭やツナなどのたんぱく質に、具沢山の野菜味噌汁を添える。

など、自分に出来る範囲で、意識して不足しがちな野菜を取り入れていけばオッケーです。

 

 

また、特に不足しやすいカルシウムは意識して摂りたいです。

 

牛乳が嫌いでなければ、給食がなくなった分、家でもコップ1杯の牛乳を飲む習慣をつけると良いと思います。

 

もちろん、牛乳以外でもカルシウムは摂れますが、そのまま飲めばいいだけの牛乳はお母さんにとって負担が少ない点が良いと思います。

 

もちろん、チーズやヨーグルトなどでも構いません。

うちは、おやつにヨーグルトやベビーチーズなどをよく食べています。

 

そのほか、厚揚げなどの大豆製品、ちりめんじゃこや骨ごと食べられる魚の缶詰、小松菜などの緑黄色野菜などが、カルシウムが豊富です。

 

無理をせず、でも出来る範囲で少し工夫することで、時間や手間をかけずに、子どもの栄養バランスを改善することが出来ます。

 

また、家の中にいてあまり動いていないと食欲低下や肥満の原因に。。。

 

家の中で出来る運動を紹介している動画を見て親子で運動してみたり、ひとごみを避けて、外を散歩する時間を作りましょう。

 

適度な運動によりおなかが空くと、食事が美味しく感じるので、好き嫌いの克服にもつながりますよ。

 

今のような特殊な状況では、完璧を目指すのは難しいし、食事の事を気にし過ぎてストレスになってはよくありません。

 

出来る範囲で、何か改善できないかな?と少しでも気を付けるだけでも、のちのち大きな差になってくると思います^^

 

河埜(こうの) 玲子

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れいここうの

れいここうの

医師・料理家として、食の観点から、予防医学を家庭に広げたいと思い、活動しています。 正しい食の知識を身に付けるのには、子供たちへの教育が大切だと感じ、2015年キッズ食育トレーナーの資格を取得しました。 ブログでは、簡単・時短でも、栄養バランス満点で美味しい、 一汁三菜を作らなくても健康的な食生活を実現出来る 「一品で栄養バランスの取れるレシピ」を提案。 食による健康、子どもへの食育に関するレシピ開発、コラム執筆、出版などのお仕事を承っています。 ↓レシピ本、好評発売中。 【Amazon.co.jp限定】忙しい人のための“一品で”栄養バランスが取れるレシピ―女性医師…/SBクリエイティブ https://www.amazon.co.jp/dp/4797381280

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